高い木にかけた専用ロープと、ツリーハーネスと呼 んでいる安全ベルトをつなげて、ぶらさがったまま登っていって、木の上の世界を楽しむアウトドアレジャーです。手を離したり力を抜いても落ちる心配がな く、また特別な体力は要らず安全性が高いので、今まで気軽に行くことの出来なかった高い木の上で新しい楽しみ方が出来ます。
ツリーイング(Tree+ing)という言葉は、NPO法人ツリーマスタークライミングアカデミー(略称:TMCA)がつくったものです。木にも人にも負担が少なく、木々を知り、3次元の森とつきあう安全性の高い技術体系を持っています。欧米のArborist~木に登って剪定したり治療したりする人たち~が使っている技術を元に、他の分野の専門家から意見を取り入れながら常に安全性を高めています。
TMCAは、全国各地で活動しているメンバーが集まって、2005年4月に始まりました。資格と技術・講座を管理する団体を結成し、これを”Tree+ing”と名づけて普及を図っています。 2006年6月に認証を受けて特定非営利活動法人ツリーマスタークライミングアカデミーとして活動しています。
私は2005年6月からそのメンバー(地域ブロック:TMCA近畿中国)および公認インストラクター(現在は休止中)として活動しています。
Tree+ingの+ing
Tree+ingの+ingには、3つの意味が込められています。
- 木に登る~Climbing………安全で楽しい木登りの技術を伝えます。
- 木から学ぶ~Learning………木と人との関わりを学びます。
- お互いに共有する~Sharing……自然とのつながりを感じます。
ツリーイングと他の木登りとの違い
Tree+ingはまず、とても安全です。落ちる心配をしないで自由な気持ちで過ごすことが出来ます。また、Tree+ingでは、木に登 る”Climbing”だけでなく、木から学ぶ”Learning”や感じたことを共有しあう”Sharing”を大切にしています。木や森を大切に、共 に生きる地球の仲間として体験を深めます。
Tree+ing / ツリーイングでひろがる樹上の世界!
普段考えられないような高い木の上に登る!それはとてもエキサイティングです。自分の心に挑戦して、自分の力で登って樹上にたどり着きます。そこには、見たことのない世界が広がっていて、なんとも言えない達成感と開放感、自由なきもちに包まれます。
数メートル上がる毎に変化していく視点は、鳥や虫たちの視点です。木々の高さ、森の高さに上がっていく躍動感に興奮します。それは今まで平面的だった大地が立体的な森の世界へと広がる瞬間です。
そのうちに木の大きさ、強さを体で実感出来ます。そして間近に見える幹や枝の張り方、葉っぱの広げ方、樹皮の模様や、葉を透かしてみる空や雲の流れ。1本1本それぞれ木に登って始めて分かる発見がたくさんあるのが興味深いです。
そしてまた、樹上の世界は生き物の世界でもあります。木々が枝を広げ、葉や花をつけ、実を実らせるそこでは、虫たちや鳥たちの暮らしを同じ目線で見ることが出来ます。
一本の木とロープでつながれ、ひたすらに木々に寄りかかることで、いつもよりずっと木をよく見ます。木の大きさ、強さ、高さ、いのちの不思議さ…。木そ のものの魅力が直に伝わってきます。そして、それからつながるたくさんのいのちの素晴らしさに、気づくかもしれません。
守っている大事なこと…
そして木も人も一緒に元気になろうと、Tree+ingをします。なるべく木を痛めたり傷つけたりしないよう、また森と人が元気に暮らせるよう努力します。 その他火気への注意、ごみの持ち帰り、周りの方々への配慮など一般的なルールをきちんと守ります。